私の一度目の結婚生活は自分にとって衝撃的なものでした。
外では、優しくおとなしい、いい旦那さん…。
しかし、一度怒り出すと優しかった夫が、豹変(ひょうへん)し、荒れ狂う。
ビクビクと顔色をうかがう毎日でした。
(詳しくはブログ「DVからの脱出~始まり」をご覧ください)
さて、私は、お正月にあれほどの暴力を受けながらも
なんとかうまくやれないか、とひとりで、もがいていました。
そう、一度始まってしまったDVは決してなくなることはない
ということも知らずに!
なにげなく「夫は暴力をふるうるか?どうやって円満に暮らしているのか」
と尋ねてみました。
その方がいうには、「ときどきたたかれることもある。
夫が、カッとしているときで、たたいたあと、
夫は、痛そうな私の顔をみるとかわいそうに思うといって謝ってくる」とのことでした。今考えると、それなら奥さんも反撃すればいいのに!と思いますが(笑)
なんだか納得していました。
そしてあるとき夫に尋ねました。
「あの私の血だらけの顔を見たときどう思ったの?」
その答えが私の夫への思慕を粉々にし、そのかわりに恐怖を決定的なものにしたのです。
「興奮してもっとやってやろうと思った」
私は氷水を浴びたように震えました。
夫に気づかれないように…と願いながら。
当時は、警察不介入です。
携帯電話は普及していません。
今後怒らせる事態をつくる前に、なるべく早く逃げなければ…と思いました。
ここから私は離婚を考え始めます。
普通の状態では夫は離婚を認めないが、争うのは面倒だ。
解決策は、夫は怒らせること。そうすればプライドを保つために必ずサインする
と思いました。
幸い実家が遠いとはいえ車で1時間30分のところにあったので
事前に離婚届を用意して、カバンに衣類などを詰めておき
上手に怒らせてサインをさせ、すぐに出ていきました。
それは夜中の12時。
団地の下の公衆電話でタクシーを呼び
その間に実家に電話をし
とにかくタクシーで行くからお金を払ってほしいと頼んでの逃避行でした。
そんな中でもタクシーの運転手さんには
実家で父が倒れた、と嘘をついていました。
それほどDVは人に知られたくないものなのです。
当時、誰も私がDVにあっていることは、知りませんでした。
一番仲のいい友達にも、もちろん親にも、相談はおろか、話すことさえできませんでした。
なぜでしょう。
それは、私も!悪いところがあるから、こんなことになる、と思っているからです。
「夫が浮気した」といえば
多くの人は心の底で「妻にも問題があるんじゃない」と考えます。
DVも同じです。
夫婦は、みんな対等、平等なんです。
どちらか一方だけが悪いわけはありません。
だいたい「悪い」ってなんでしょう。
自分の思いどおりにならないことが「悪い」。
それは主語を入れ替えていけば
「夫が自分の思い通りにならないから悪い」
「妻が自分の思い通りにならないから悪い」
それぞれ、対等な人ですから、思い通りになることはありません。
どうやって折り合いをつけていくか、です。
なのに、暴力という形で、絶対的な一方的な服従を迫るのが、DVです。
しかもその服従は恐怖を伴い、知らず知らずに支配されていくのです。
この痛みはそう簡単には消えません。
この心の傷はおおきなトラウマになってなにかの時に襲ってきます。
そして恐ろしいことに、また相手は変わってもDVの状況を作っていくのです。
心の底で自分が悪い、と自分でも気が付かないで思っている限り。
相手に支配されていることに気が付かないかげり。
出会った夫がすべて悪い、そんな人とは思わなかったのにだまされた、
自分のことは考えず
相手のせいだと思っている限り。
自分のことは考えず
相手のせいだと思っている限り。
本当は自分も相手を支配して思い通りにしたいのだ、と気が付かない限り。
自分のDVを呼ぶ体質を認めることが。
どうやってそこから脱出したのか、また次回。
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