2013年6月6日木曜日

DV(ドメスティック・バイオレンス)からの脱出~始まり


それは25年も前のことです。
若かった私はもちろん「幸せ」になるものと思って、結婚をしました。
でも、自分の考えていた結婚生活と、夫の描いていた生活とは全く正反対でした。
 
「幸せ」の感覚が全く違っていたのです。
 
 
彼は今までの自分の生活スタイルのままで、
私はただそこに邪魔をせずにいて愛してくれるものと考えていたのでしょう。
私にとっては、二人になることで共有の生活時間があり、
一緒に楽しむものだと思っていました。
毎日の生活の中で、お互いの思いがすれ違い、イライラが募ってきます。
 
小さな喧嘩を繰り返しながら、
自分はどうやって夫の気持ちを理解したらいいのか、
どこまで我慢すればいいのかと
悩み続けていました。
そして、結婚して2か月もしないうちに夫の借金が発覚。
そのことで初めての大喧嘩。
 
このときにDVが発覚。暴力を受けます。
私は肋骨にひびが入りましたが
まだ夫と暮らしたいと考えていたので
病院でもドアにぶつけたという、すぐにわかってしまう嘘をつきました。
今のDV防止法ではお医者さんは通報義務がありますが
当時はドメスティック・バイオレンスという言葉すら一般的ではなく、
警察も民事不介入といわれ、
110番しても部屋までは入らない、仲裁はしない、
そんな時代でした。
借金については私の両親とも話し合いをして、
すべての家計の管理を私が行うことでお互いに納得したと思っていました。
私は夫と寄り添っていきたかったのです。
しかし、一度封印を解いてしまった夫の暴力は徐々にエスカレートしていきました。
それに伴い、借金の解決方法はどこかに飛んで行ってしまいました。
 
私は自分のがまんが足りない、もっと思う通りにさせてあげないからと思う一方、
夫ばかりがなぜ勝手なことをするのか、私のことはちっともわかってくれない
という、相反する思いを募らせ、イライラと苦しい毎日でした。
これでは夫も楽しいわけはありませんよね。
毎日、仕事帰りの電車の中で考えるのは
「今日帰ってから寝るまで普通にしていられるか、
夫の機嫌をそこなわないで過ごせるか」ということでした。
いつしか自分でいられる時間は通勤の電車だけになりました。
そして、私は電車の中で毎日泣いていたのです。
誰も気にしないのがありがたかったです。
 
たった一人で誰にも話すことすらできない、孤独の中で


 
そして、結婚3か月になろうとしていた初めてのお正月。
私は初めての二人での年越しを楽しみにしていたのですが、
そううまくはいきませんでした。
また喧嘩を始めてしまったのです。
そのときの夫の暴力は目を覆うものでした。
私の鼻と口からあふれた血で部屋は真っ赤。
当然、顔も腕も腫れあがり、目も真っ赤に充血し、耳も切れて
まるで試合後のボクサーでした。
そんな状況であるのに、私は、次の日に行く予定だった実家へ、
「熱が出た」といって延期してもらいました。
私はなんとか結婚生活を続けたかったのです。
それと、両親に、私も悪いからだろう、と言われるのが嫌だったのです。
自分でそう思っていましたから…
私が夫の思いに添えないからいけないんだ、わがままを言うからいけないんだと、
夫の思いをわかってあげれば幸せな結婚生活ができる、と信じていました。
そして、これからは夫がいうようにもっとひとりにさせてあげよう
と思っていたのです。
でも、こころの奥底では、
なぜ私だけ?
と夫に対しての恨みも同じだけ育っていったのでした。
 
そうです!これがドメスティック・バイオレンス=DVです。
きっと私が悪いのだ。私がもっといい妻ならもっと我慢したら
夫にこんなことはさせないで済むのに、私のせいだ
でも!
夫ももっと我慢してほしい!のに、なんで私だけ
 
この思いが、間違った解釈が、自分も夫もがんじがらめにして
DVの落とし穴に落ち
泥沼にはまって
抜けられなくなっていくのです。
どちらか一方だけが問題があるわけではありません。
どうやって折り合いをつけていくかを模索しながら生活していくのが対等な関係です。
なのに、暴力という形で、絶対的な一方的な服従を迫るのが、DVです。
 
しかも、その服従は恐怖を伴い、知らず知らずに支配されていくのです
 
そして、それを決して誰にも話せないで、孤独感の中に置き去りにされます。
 
その罪悪感と孤独感で、どんどんとDVの泥沼にひきこまれていくのです。
 
服従に慣れていきます
 
服従と感じなくなってしまうんです!


いまDVで悩んでいる方、暴力だけではありません。
言葉の暴力、無視する、協力しないという態度での暴力を受けている方。
「これくらいはみんな我慢してる」と思って我慢している方。
DVは犯罪です。
 
あなたはひとりではありません
 
少なくとも私は、気持ちがわかります。
 
誰にも話せず苦しかったら、自殺したくなったら、
一度いらしてみてください。
あたたかなテルミーが、あなたのこころとからだを癒し、寄り添ってくれます。
 
私の結婚のその後についてはまた次回に。

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